BOBBI BROWN × PREMIUM SIX
第二十四回目 渡辺佳子(美容ジャーナリスト) 所属:イプシロン
最近ますます〝美容とは、つまるところ自分を探す旅なのではないか…〟と思うようになりました。
なぜならば、迷ったり困ったり落ち込んだりしながら新しい美を求めてさまようものの、いつしか(たぶん何周も回った後で)自分を見つめ直すスタート地点に戻ってくる気がするからです。
そしてそのころにはもう、外にではなく内に向かって自分を深く掘っていく作業にシフトするような気がするのです。
そういう意味で結局は〝自分は何が好きなのか〟〝なにを心地よく感じるのか〟ということがはっきりわかった人ほど美容道がしっかり定まるのではないでしょうか。
ここでいう美容とはメイクの色選びやメイク法だけでなく、フレグランス選びも、どういうスキンケアを実践するかということも、どういうボディメンテナンスをするかということも、何を食べるかということも含む〝きれいになろうとする活動すべて〟のこと。
それでは私はどうかというと、自分はやっぱり〝新しい提案〟や〝オリジナリティ〟が好きなのかなと思います。
見たことも聞いたこともないような発想から作られたもの。その裏に妥協なく発想を現実にする本気度が感じられるもの…。
ボビイ ブラウンのインテンシブ スキン セラム ファンデーションも、それまでにない斬新さを感じたクリエーションの1つです。
アメリカの、どちらかというとポイントメイクに力を置いていると思っていたブランドが、本場の漢方素材である〝冬虫夏草(とうちゅうかそう)〟という素材にフォーカス。
そしてそれをまさかのファンデーションに入れるという驚きの発想!
もちろんファンデーションもスキンケアの一部という考えは定着していましたが、漢方のなかでもマニアックな〝冬虫夏草〟を探してきたというのは予想外の展開でした。
考えてみれば、免疫力を高め滋養強壮になるという冬虫夏草のパワーをファンデーションに利用するというのは、健康的な素肌美を最重要視するブランドだからこその着眼点かもしれません。
とはいえそこには高いハードルが…。
熱に弱い冬虫夏草にダメージを与えないためには「低温でじっくりと時間をかけ、ゆっくりと成分を混ぜあわせる」ことが必要で、さらにアルテミアエキス、アルジリンペプチド、スーパーモイスチャーブレンドなど、他の配合成分の働きを最大限に活かすことも求められました。
長年の研究や試行錯誤の積み重ねでついにこれをクリアできたのは、ボビイブラウンだからこそ。
素肌美に自信を持ってもらうことにこだわるブランドでなければ難しかったのではないかと思えます。
この名作ファンデーションの発売から早、5年目!
今年は5周年のアニバーサリーイヤーになります。
ということでインテンシブ スキン セラムシリーズのコンシーラーが、冬虫夏草をはじめとした贅沢な美容成分配合でパワーアップしてリニューアル。
粉っぽさのない薄膜ベールがぴったり密着して目もとをカバーしながら、アイセラム並みの保湿で肌そのものをメンテナンス&ケア。気になる乾燥やたるみ、くすみ、クマも視野に入れてアイゾーンのポテンシャルを総合的にあげていきましょうという提案です。
コンシーラーでも10色も揃っている色揃えは、ボビイ ブラウンならではないでしょうか。ファンデーションについても今回のコンシーラーのリニューアルにあわせて13色から4色追加になっていて、いまは17色も揃います。
つまりこのラインは「全く新しい違うカルチャーの素材も認めて組み込む視野も広さ」×「世界中の人の素肌をナチュラルに健康的に見せるためのカラーリサーチの蓄積」の結実。
ボビイ ブラウンが真のグローバルブランドである証なのではないでしょうか。
アニバーサリーイヤーの今年は、近々もうひとつ、同じく冬虫夏草仕込みのクッションファンデーションが新登場するとのことで、ますます楽しみです!
最後にミニ情報。ボビイ ブラウン リュクス シャイン インテンス リップスティックの04 クラレットを知っていますか?
こちら、昨年、お隣り中国のアラサー女子にブレイクした色なのです。
上海生まれ上海育ちのお友達が教えてくれたのですが、いま、中国女子はものすごい勢いで美容に目覚めていて、なかでも口紅マニアが急増中。
恐ろしく影響力のあるインフルエンサー男子が「オトコの自分がつけてきれいなら女子には間違いなくOKでしょう?」と、自分の唇に塗って試して名色をお勧めしていくライブ通販が大ウケで、それを参考に彼女たちも自分目線で口紅セレクトをし始めているとか。
リアルタイムの中国女子にどんな色がウケているのかなーと思ってさっそく試してみたところ、服や場を選ばずつけられるとても上品なカラーだし、唇にするんとのびていい感じに密着する質感のバランスがいい。
中国のアラサー世代は、ちょうど経済発展の中で育ったいわばバブル世代で消費のコア層です。
その彼女たちがすでに、新しいものだからブランドだからと手当たり次第に買うのではなく、アジア人の肌に似合うもの、しかも世界に通用するような品格のあ るものに興味を持つようになっている感じで、まさに彼女たちはちょうど自分探しの美容旅に出たところなのだなと思いました。
中国では、インテンシブ セラム ファンデーションのつるんとした肌仕上がりが〝水光肌〟と呼ばれて大ヒットしたそうで、それも、そういう彼女たちの気分に刺さるものだったからでしょう。
人生のステージが変われば、自分が本当に好きなもの、心から気持ちよいと思う惹かれポイントも変わってくるものですよね。
私もこのあたりでまた、新たな発見を求めて何度めかの旅に出てみようかと思う今日このごろです。
美容ジャーナリスト
渡辺佳子
東京外国語大学を卒業後、欧州留学を経て美容記事作りの仕事をスタート。30年以上にわたって美容にかかわる流行りごとや最先端事情を分析して発信し続け、〝ビューティ界の目利き〟として幅広い世代に支持されている。(イプシロン所属)
www.ipsilon-japan.com/profile/keiko/